
新型コロナウイルス騒動により、あらゆる産業に多大な影響が発生。雇用も脅かされる事態となっている。その余波で内定取り消しになった場合、どうすれば良いのか? 弁護士の竹下正己氏が回答する。
【相談】
旅行代理店に就職が内定していた大学4年生の娘が、コロナの影響で取り消しに。娘はまた就職活動をしなければいけません。この状況下で業績が悪化し、新入社員を雇えない会社側の事情もわからなくはないですが、親としては納得いかず、今回の取り消しは法的にも仕方がないことになってしまうのですか。
【回答】
内定には解約権が留保されていますが、本採用の日を始期とする雇用契約が成立します。労働契約法では合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない解雇を禁じています。
しかし、内定時点では内定者に就労予定の職種に求められる資質、性格、能力、その他の適格性があるか十分な判断材料がありません。内定後、判明した不適格者の採用を止める必要が生じる場合もありえます。そのため使用者には、解約権が留保されます。
逆にいえば、採用内定は「採用内定当時知ることができず、また知ることが期待できないような事実」を取り消せるだけです。この点、新型コロナ流行は娘さんの適格性にかかわる問題ではないので、内定取り消しは合理的理由がない解雇になります。
ただし、新型コロナの蔓延で旅行業など一定の業種に大変な影響が出ているのは事実。リーマンショック以上の世界同時不況も心配されていますが、内定時にはまったく予想できなかった経営状態の突然の悪化で、会社存続のため人員削減の必要性がある場合には、解雇が適法にできる整理解雇の観点からの検討も必要です。
整理解雇は、
(1)人員削減の必要性
(2)解雇回避措置の相当性
(3)人選の合理性
(4)解雇手続きの相当性
の4つの要件から判断されます。会社に人員削減の必要性があり、解雇回避努力を尽くしている場合には、解雇される従業員の選定基準が問題になりますが、内定者は会社で働いて生活をしている現在の労働者よりは不利だと思います。
それでも手続きの相当性は重要です。そこで内定取り消しの必要性や、いかに取り消し回避努力をしたのか、詳しく説明を聞くのがよいでしょう。納得できなければ、労働事件として、都道府県の労働局長に相談することができます。
【弁護士プロフィール】竹下正己(たけした・まさみ):1946年、大阪生まれ。東京大学法学部卒業。1971年、弁護士登録。
※週刊ポスト2020年5月8・15日号
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